MENU

クラムシェルは本当に中殿筋に効く?研究から考える股関節トレーニング

こんにちは!

UNITYボディコンディショニングの山崎です!

名古屋市東区芳野・森下駅近くで、

不調や痛みの改善を目指した

ボディコンディショニングサロンを運営しています。

目次

はじめに

股関節のトレーニングとして広く知られる「クラムシェル」。

横向きに寝て、左右の足を重ねたまま上側の膝を開く、比較的シンプルな運動です。

中殿筋を鍛える運動として紹介されることが多いですが、実は股関節の角度や骨盤の位置によって、筋肉の活動パターンが変化することが研究で報告されています。

今回は、複数の研究をもとに、クラムシェルの特徴と臨床での活用について解説します。

1.クラムシェルでは、どの筋肉が働く?

クラムシェルは主に股関節の外旋運動を伴い、以下の筋肉が関与します。

  • 中殿筋
  • 大殿筋
  • 深層外旋筋群
  • 大腿筋膜張筋など

これらの筋肉は、股関節の運動や骨盤・下肢のコントロールに関与します。

ただし、クラムシェルを行えば中殿筋だけが選択的に活動するわけではありません。

筋肉は互いに協調して働くため、運動の目的に合わせて負荷や姿勢を調整することが大切です。

2.骨盤の位置によって筋活動は変化する

Willcoxら(2013)は、骨盤の位置や股関節の角度を変えた際の筋活動を調査しました。

その結果、骨盤が後方へ倒れた姿勢よりも、中間位を保った姿勢で中殿筋・大殿筋の活動が高くなることを報告しています。

クラムシェルでは膝を大きく開こうとするあまり、骨盤や体幹まで一緒に回旋してしまうことがあります。

股関節の運動をコントロールすることが目的であれば、膝を開く大きさだけを重視せず、骨盤の位置を確認することが重要です。

3.股関節を曲げる角度も重要

同研究では、股関節を60°屈曲した条件で中殿筋の活動が高いことが示されました。

また、Mitomoら(2024)は、健康な女性30人を対象として、股関節屈曲30°・45°・60°の条件で筋活動を比較しています。

その結果、股関節の屈曲角度が大きい条件では、殿筋群と大腿筋膜張筋の活動比が高まる傾向が認められました。

さらに、大腿骨の前捻角によっても筋活動パターンが異なることが報告されています。

これは、同じ運動でも骨格的な個人差によって筋肉の活動の仕方が変わる可能性を示しています。

ただし、股関節を60°曲げれば必ず中殿筋が最も強く働くという意味ではありません。実際、Mitomoらの研究では中殿筋単独の活動は股関節角度による有意な変化を示していませんでした。

4.2026年の研究では膝の曲げ方にも注目

Leeら(2026)は、健康な若年女性30人を対象に、膝の屈曲角度を60°・90°・110°に設定したクラムシェルの筋活動を比較しました。

中殿筋の活動は、それぞれ次のような結果でした。

  • 膝屈曲60°:約17.7%MVIC
  • 膝屈曲90°:約20.1%MVIC
  • 膝屈曲110°:約21.2%MVIC

また、90°以上の条件では、大腿筋膜張筋や腰方形筋に対する中殿筋の相対的な活動が高くなりました。

一方、膝を90°より深く曲げても、活動パターン全体としての追加のメリットは限定的でした。

この結果から、膝を約90°曲げた姿勢は、一つの参考になると考えられます。

5.筋活動が高いことと筋力向上は違う

ここで大切なことがあります。

筋電図で活動が高く示されたからといって、その運動が筋肥大や筋力向上に最も効果的だとは限りません。

筋力を高めるためには、筋肉に加わる負荷、反復回数、運動量、継続期間なども考える必要があります。

特に2026年の研究では、今回の条件でのクラムシェルの筋活動量は比較的低く、筋力増強よりも低負荷での運動制御を考えるうえで参考になると述べられています。

したがって、身体の状態に応じてクラムシェルから始め、サイドステップや片脚での運動、スクワットなどへ段階的に進めることも大切です。

6.膝痛や顎関節症にも効果がある?

近年では、クラムシェルを用いた臨床研究も報告されています。

2026年には膝蓋大腿部痛を対象とした比較試験で、短期的な痛みや機能の改善が報告されました。

また、2025年には顎関節症に対する徒手療法にクラムシェルを追加した研究も発表されています。

ただし、これらは比較的小規模な研究です。

特に顎関節症については、クラムシェルによって骨盤が安定し、その結果として顎関節の機能が改善したという因果関係まで証明されたわけではありません。

現段階では興味深い研究結果として捉え、今後の検証が必要です。

7.UNITYが大切にしていること

運動療法では、特定の筋肉を働かせることだけが目的ではありません。

どのような動作で困っているのか。

どの部分に負担がかかっているのか。

筋力だけでなく、関節の動きや身体全体の協調性はどうなっているのか。

こうした点を確認し、必要な運動を選択することが大切だと考えています。

クラムシェルは有用な選択肢の一つですが、それだけで身体の問題がすべて解決するわけではありません。

UNITYボディコンディショニングでは、身体の評価を通して、その方の状態や目標に合わせた施術・運動指導を行っています。

「やりたい」を支える身体づくり。

日常生活からスポーツまで、安心して身体を動かせる状態を一緒に目指していきます。

【参考文献】

  1. Boren K, et al. Electromyographic analysis of gluteus medius and gluteus maximus during rehabilitation exercises. Int J Sports Phys Ther. 2011.
  2. Selkowitz DM, et al. Which exercises target the gluteal muscles while minimizing activation of the tensor fascia lata? J Orthop Sports Phys Ther. 2013.
  3. Willcox EL, Burden AM. The influence of varying hip angle and pelvis position on muscle recruitment patterns during the clam exercise. J Orthop Sports Phys Ther. 2013.
  4. Mitomo S, et al. Effects of differences in femoral anteversion and hip flexion angle on hip abductor muscles activity during clam exercise in females. PLOS ONE. 2024.
  5. Lee HY, et al. Effects of Knee Flexion Angle on Gluteus Medius Activation and Activation Ratios During the Modified Clamshell Exercise. Medicina. 2026.
  6. Fatima L, et al. Comparative Effects of Clam Shell Exercises and Short Arc Quadriceps Strengthening Exercises on Pain, Functional Disability and Quality of Life in Patellofemoral Pain Syndrome. 2026.
  7. Waheed F, et al. Effects of Mulligan Mobilization with and without Clamshell Exercise on Joint Mobility, Muscle Strength, and Psychological Well-Being in Patients with Temporomandibular Joint Dysfunction. 2025.
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次