腸脛靱帯炎(ランナー膝)|膝の外側の痛みでお悩みの方へ
走り始めは大丈夫なのに、ある程度走ると膝の外側が痛くなる。
休むと楽になるものの、ランニングを再開すると同じ場所がまた痛む。
このような症状でみられる代表的なランニング障害が、**腸脛靱帯炎(ランナー膝)**です。
腸脛靱帯炎では、大腿部の外側を走る腸脛靱帯と大腿骨外側部周辺に繰り返し負荷が加わることで、膝の外側に痛みが生じます。
ただし、
「腸脛靱帯が硬いから痛い」
「膝の外側をほぐせばよくなる」
と単純に考えられるものではありません。
走行距離やスピード、坂道、ランニングフォーム、股関節・膝・足部の機能など、複数の要素が関係することがあります。
UNITYでは、痛む膝外側だけではなく、どのくらい走ると症状が出るのか、片脚で身体を支えたときの動き、股関節や足部の機能、最近の練習量などを確認します。
このような症状でお悩みではありませんか?
✓ ランニング中に膝の外側が痛くなる
✓ 走り始めは大丈夫だが、距離が長くなると痛む
✓ ランニングを中止すると痛みが軽くなる
✓ 下り坂を走ると膝外側が痛い
✓ 階段を下りると痛む
✓ 膝の外側を押すと痛い
✓ ランニング距離を増やしてから症状が出た
✓ スピード練習を増やしてから痛み始めた
✓ 休むと良くなるが、走ると再発する
✓ ランニングフォームを変えてから痛むようになった
✓ 同じ膝外側痛を何度も繰り返している
✓ どのタイミングでランニングへ戻ればいいか分からない
特に、ランニングなど膝の曲げ伸ばしを繰り返したときに膝外側へ痛みが出ることが特徴の一つです。
腸脛靱帯炎(ランナー膝)とは
腸脛靱帯は、大腿部の外側を走り、膝の外側を越えて脛骨まで続く強い結合組織です。
ランニングでは、接地するたびに膝の曲げ伸ばしが繰り返されます。
その際、膝外側の大腿骨外側部周辺で、腸脛靱帯やその深層にある組織へ繰り返し負荷が加わることで痛みが生じると考えられています。
以前は、
「腸脛靱帯が大腿骨の上を前後に滑って摩擦を起こす」
という説明が一般的でした。
しかし現在では、腸脛靱帯が単純に前後へ滑るというより、膝が曲がったときに腸脛靱帯深層の組織へ圧縮ストレスが加わることが痛みに関係すると考えられています。
そのため、腸脛靱帯炎を単純な「摩擦による炎症」とだけ捉えないことが重要です。

なぜランニングで膝の外側が痛くなるのでしょうか?
ランニングでは、着地するたびに膝が曲がり、その後再び伸びる動作を繰り返します。
この膝の屈伸によって、膝外側では腸脛靱帯周辺に繰り返し負荷が加わります。
しかし、走ることそのものが悪いわけではありません。
例えば、
- 急に走行距離を増やした
- ランニング頻度を増やした
- スピード練習を増やした
- 下り坂を多く走るようになった
- 路面やコースが変わった
- 疲労によってランニングフォームが変化している
などによって、現在の身体が対応できる以上の負荷が繰り返されると、症状につながることがあります。
そのため、身体だけでなく、「最近どのように走っていたのか」まで確認することが重要です。
股関節も関係するのでしょうか?
膝の外側が痛いからといって、膝だけに原因があるとは限りません。
ランニングでは片脚で身体を支える時間があり、その際に股関節や骨盤の筋肉が下肢の動きをコントロールしています。
そのため、
- 骨盤を安定させる力
- 股関節の筋力・持久力
- 片脚で立ったときの身体の使い方
- ランニング中の股関節・膝の動き
などを確認することがあります。
ただし、
「お尻の筋肉が弱い=腸脛靱帯炎になる」
と単純に決めることはできません。
実際の動作の中で、現在どのような機能が不足しているのかを確認することが大切です。
腸脛靱帯をストレッチすればよくなりますか?
腸脛靱帯炎では「腸脛靱帯が硬いから伸ばす」という説明を聞くことがあります。
しかし、腸脛靱帯そのものは非常に強い結合組織であり、単純にストレッチだけで問題を解決できるとは限りません。
股関節周囲の筋肉や大腿部外側の組織の柔軟性を確認することはありますが、それだけではなく、
- 股関節の筋機能
- 片脚での動作
- ランニングフォーム
- 走行距離や負荷
などを合わせて確認することが重要です。
また、痛みの強い膝外側を痛みを我慢して強く押したり、ローラーで強く圧迫したりする必要はありません。
膝の外側が痛い=腸脛靱帯炎とは限りません
膝の外側には、腸脛靱帯以外にもさまざまな組織があります。
そのため、膝外側が痛いからといって、すべて腸脛靱帯炎とは限りません。
例えば、
- 外側半月板の障害
- 外側側副靱帯の損傷
- 膝蓋大腿関節由来の痛み
- 大腿二頭筋腱周辺の障害
- 疲労骨折などの骨の障害
などでも、似た場所に痛みが生じる場合があります。
特に、明らかな外傷がある、膝が腫れている、引っかかる・ロックする、膝が崩れる感じがある場合には、医療機関での評価をおすすめします。
まず医療機関への相談を優先してほしい症状
次のような症状がある場合には、自己判断でランナー膝として運動を続けず、整形外科などの医療機関へご相談ください。
✓ 転倒や接触など明らかな外傷のあとから痛い
✓ 膝が大きく腫れている
✓ 体重をかけて歩くことが難しい
✓ 膝がロックして曲げ伸ばしできない
✓ 膝が抜ける・崩れるような感覚がある
✓ 安静にしていても強い痛みがある
✓ 夜間痛が強くなっている
✓ 赤み・熱感が強い
✓ 発熱を伴っている
✓ しびれ・筋力低下を伴う
✓ 数日休んでも症状が悪化している
腸脛靱帯炎は多くの場合、スポーツ活動に伴って徐々に症状が現れます。
その経過から大きく外れる場合には、別の病態を考える必要があります。
UNITYでは何を確認するのか
腸脛靱帯炎では、膝の外側だけを確認するのではなく、どのようなランニング負荷と身体の動きが症状に関係しているのかを整理します。
UNITYでは、
✓ 痛む場所
✓ どのくらい走ると痛くなるか
✓ 平地・上り・下りでの違い
✓ ランニング後・翌日の症状
✓ 膝の可動域
✓ 股関節の可動域
✓ 股関節周囲の筋力・持久力
✓ 片脚立ち
✓ 片脚スクワット
✓ ステップ動作
✓ ジャンプ・着地
✓ 骨盤・股関節・膝の動き
✓ 足部・足関節の機能
✓ ランニングフォーム
✓ シューズ
✓ 走る路面・コース
✓ 最近の走行距離
✓ ランニング頻度・スピード
✓ 過去の膝外側痛
などを確認します。
特に、**身体の硬さや筋力だけでなく、「実際に走ったときにどう動いているのか」「どの程度の負荷が加わっているのか」**を確認することが重要です。
UNITYでの対応
UNITYでは、膝外側を強く揉んで「腸脛靱帯を緩めれば治る」という考え方では対応しません。
まず、現在どの程度のランニング負荷で症状が出ているのかを確認します。
そのうえで、
- 股関節・膝・足部の可動性
- 股関節周囲の筋力・持久力
- 片脚での身体のコントロール
- スクワットやステップ動作
- ランニングフォーム
- 走行距離・スピード・頻度
などを確認し、状態に合わせて徒手的な対応や運動、ランニング負荷の調整を行います。
痛みが落ち着いたあとも、いきなり以前と同じ距離へ戻すのではなく、平地での短いランニングから段階的に走行距離や強度を戻していくことが大切です。
ランニングは完全に休んだ方がいいですか?
症状の程度によって異なります。
走るたびに痛みが強くなっている場合には、一度ランニング量や強度を下げる必要があります。
ただし、
「必ず何週間も完全休止する」
と一律に決めるわけではありません。
現在の症状に合わせて、
- 距離を短くする
- スピードを下げる
- 下り坂を一時的に避ける
- 休養日を増やす
- 痛みの出ない運動へ一時的に変更する
など、負荷を調整します。
痛みが軽減してきたら、症状を確認しながら徐々にランニングへ戻していきます。
ランニングフォームは変えた方がいいですか?
ランニングフォームを確認することはありますが、すべての方に同じ走り方を指導するわけではありません。
腸脛靱帯炎では、ランニング中の股関節や膝の動きとの関連が研究されています。
ただし、
「膝が内側に入るから必ず腸脛靱帯炎になる」
というほど単純ではありません。
現在のフォームが症状と関連していると考えられる場合には、身体機能と合わせて少しずつ調整します。
フォームだけを無理に変えるのではなく、身体がその動きに対応できる筋力・持久力をつけながら進めることが重要です。
いつランニングに戻れますか?
ランニングへ戻る時期は、症状の程度や走りたい距離によって異なります。
重要なのは、
「○週間経ったから走る」
ではなく、現在どの程度の負荷に対応できているかを確認することです。
例えば、
- 日常生活で痛みがない
- 階段で痛みが出ない
- 片脚スクワットなどで強い症状がない
- 片脚で身体を安定して支えられる
- 軽いジョギングで症状が出ない
- 運動後・翌日に症状が悪化しない
などを確認しながら、少しずつ距離や時間を戻します。
最初から長距離や坂道へ戻すのではなく、平坦な場所で短時間から始める方が安全です。
よくある質問
フォームローラーで腸脛靱帯を強くほぐした方がいいですか?
痛みを我慢して膝外側を強く圧迫することはおすすめしません。
腸脛靱帯炎では、痛む場所の深部組織への圧縮ストレスが症状に関係している可能性があります。
そのため、
「痛いほどローラーをかければ柔らかくなる」
とは考えない方がよいでしょう。
必要に応じて大腿部や股関節周囲の柔軟性を整えることはありますが、膝外側の痛い場所へ強い刺激を繰り返す必要はありません。
膝のサポーターは必要ですか?
サポーターによって安心感が得られる方もいますが、腸脛靱帯炎だから必ず必要というわけではありません。
ランニング負荷や身体機能の調整を行わず、サポーターだけで走り続けることはおすすめしません。
現在の症状や競技状況に合わせて考えることが大切です。
何回くらい通えばよくなりますか?
腸脛靱帯炎は、症状が続いている期間、走行距離、競技レベル、身体機能、ランニングフォームなどによって必要な対応が異なります。
例えば、
「10km以上走ると初めて痛みが出る方」
と、
「数分走っただけで痛みが出て、階段でも症状がある方」
では状態が異なります。
そのため、最初から「○回でよくなります」と一律にお伝えすることはできません。
UNITYでは、現在の身体機能とランニング負荷を確認し、どの距離・競技レベルまで戻したいのかを踏まえて、その方に合わせた通い方をご提案します。
関連する症状・疾患
腸脛靱帯炎と関連する膝・スポーツの症状についてもご紹介しています。
気になる症状がある方は、あわせてご覧ください。
- スポーツによる痛み・不調について詳しく見る →
- 膝の痛みについて詳しく見る →
- シンスプリント(MTSS)について詳しく見る →
- 膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)について詳しく見る →
- 疲労骨折について詳しく見る →
ランニング時の膝外側の痛みでお困りの方へ
腸脛靱帯炎では、痛む膝だけではなく、股関節・足部の機能、片脚での動作、ランニングフォーム、実際の走行距離や練習内容まで合わせて確認することが大切です。
「走ると毎回同じ場所が痛くなる」
「休むと良くなるが、ランニングを再開するとまた痛む」
「距離を伸ばしたいのに膝の外側が痛くなる」
といった方は、どの負荷で症状が出ているのか、一度整理してみませんか。
医療機関で診断・治療を受けている方は、その方針を確認しながら、ランニング復帰に必要な身体機能と動作をみていきます。
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