MRIでは見つからない腰痛?中殿皮神経障害とは

こんにちは!
UNITYボディコンディショニングの山崎です!
名古屋市東区芳野・森下駅近くで、
不調や痛みの改善を目指した
ボディコンディショニングサロンを運営しています。
はじめに
「レントゲンでは異常なし」
「MRIでも特に問題ないと言われた」
それでも腰やお尻の痛みが続いている…。
そんな経験はありませんか?
腰痛というと椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、画像検査だけでは原因がはっきりしない腰痛も少なくありません。
そのような腰痛の原因のひとつとして近年注目されているのが、中殿皮神経(ちゅうでんぴしんけい)障害です。
今回は、腰痛の原因として見落とされやすい中殿皮神経障害について解説します。
中殿皮神経はどこを走っているの?
中殿皮神経は、S1〜S4の後根神経由来の純粋な感覚神経です。
仙骨後面から出た後、仙腸関節を乗り越え、上後腸骨棘と下後腸骨棘の間に存在する長後仙腸靭帯(ちょうこうせんちょうじんたい)の下をくぐりながら殿部内側へ向かいます。
この神経は、お尻の内側周辺の感覚を脳へ伝える役割を担っています。
近年では、この中殿皮神経が長後仙腸靭帯をくぐる際に圧迫や刺激を受けることで、殿部内側に痛みを引き起こすことが報告されています。
これを「中殿皮神経障害」と呼びます。

中殿皮神経障害ではどんな症状が出るの?
中殿皮神経障害では、お尻の内側の痛みが特徴です。
さらに、
・長時間座っていると痛い
・立ちっぱなしでつらい
・歩くと症状が悪化する
・身体をひねると痛い
・お尻から太ももの裏にかけて痛みが広がる
といった症状がみられることがあります。
特に、太ももの裏への放散痛を伴うこともあるため、坐骨神経痛や腰椎疾患と間違われることも少なくありません。
実際に報告では、腰痛患者の中で中殿皮神経障害への治療が症状改善に関与していたケースも報告されています。

仙腸関節障害との違い
中殿皮神経障害を考えるうえで非常に重要なのが、仙腸関節障害との関係です。
実は両者は、痛みが出る場所が非常によく似ています。
そのため、
「仙腸関節が悪いですね」
だけでは説明できないケースもあります。
実際には、
・仙腸関節
・長後仙腸靭帯
・中殿皮神経
などが同時に関与している場合もあります。
そのため腰痛を評価する際には、関節だけを見るのではなく、神経や靭帯の状態も含めて考えることが大切になります。
MRIでは見つからないことも
中殿皮神経障害の特徴のひとつが、
レントゲンやMRIでは診断が難しいことです。
骨折や椎間板ヘルニアのように画像へ明確に映るわけではないため、
「異常なし」
と言われることもあります。
しかし、
画像に異常がない=痛みの原因がない
というわけではありません。
神経への圧迫や刺激によって症状が出ている場合もあるため、画像だけでは判断できない腰痛も存在します。
なぜ座っていると痛くなるの?
近年では、中殿皮神経そのものだけでなく、
神経周囲の筋膜や皮下組織との滑走性低下
も症状に関与している可能性が指摘されています。
長時間座り続けることで、
・殿部への圧迫
・神経周囲組織の滑走性低下
・長後仙腸靭帯周囲へのストレス増加
などが起こり、神経への負担が増加する可能性があります。
そのため、
デスクワーク
長距離運転
長時間の会議
などで症状が強くなる方も少なくありません。
中殿皮神経障害はどのように評価するの?
中殿皮神経障害はMRIだけで診断できる疾患ではありません。
そのため、
・どこが痛いのか
・どんな動作で悪化するのか
・どの場所を押すと症状が再現されるのか
を丁寧に確認することが重要になります。
報告では、
上後腸骨棘から約3.5cm尾側付近
に圧痛がみられることが特徴のひとつとされています。
また、その部位を刺激した際に、普段感じている症状が再現されることもあります。
当サロンで大切にしていること
腰痛の原因はひとつではありません。
関節・筋膜・靭帯・神経など、さまざまな組織が関与しています。
そのため当サロンでは、
「腰が痛いから腰を施術する」のではなく、「どの組織が症状に関与しているのか」を評価することを大切にしています。
もし、
・お尻の内側が痛い
・長時間座るとつらい
・MRIでは異常なしと言われた
そんな症状でお悩みの方は、一度身体の状態を見直してみるのも良いかもしれません。
まとめ
中殿皮神経は、S1〜S4由来の感覚神経で、仙腸関節を乗り越え長後仙腸靭帯の下を走行しながら殿部内側の感覚を支配しています。
この神経が刺激されることで、
・殿部内側痛
・腰痛
・太もも裏への放散痛
などを引き起こすことがあります。
また、仙腸関節障害と症状が似ているため見落とされることも少なくありません。
腰痛の原因はひとつではなく、関節・筋膜・靭帯・神経など複数の組織が関与している場合もあります。
だからこそ、症状だけを見るのではなく、どの組織が関与しているのかを丁寧に評価することが大切だと考えています。
上殿皮神経障害については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【参考文献】
藤原史明, 金景成, 井須豊彦
『上殿皮・中殿皮神経障害の診断と治療』
MB Orthop. 2024Isu T, et al.
Superior and Middle Cluneal Nerve Entrapment as a Cause of Low Back Pain.
Neurospine. 2018.

