腰痛の原因は筋肉だけじゃない?腰と骨盤を支える「腸腰靱帯」とは

こんにちは!
UNITYボディコンディショニングの山崎です!
名古屋市東区芳野・森下駅近くで、
不調や痛みの改善を目指した
ボディコンディショニングサロンを運営しています。
はじめに
腰痛で病院を受診し、
「骨には異常ありません」
と言われた経験はありませんか?
もちろん、それは悪いことではありません。
しかし実際の臨床では、レントゲンやMRIだけでは説明できない腰痛に出会うことがあります。
腰痛というと筋肉や椎間板に注目が集まりやすいですが、身体にはそれ以外にも腰を支える重要な組織があります。
その一つが「腸腰靱帯(ちょうようじんたい)」です。
今回は、腰と骨盤をつなぐ腸腰靱帯について解説します。
腸腰靱帯とは?
腸腰靱帯は、第4腰椎(L4)および第5腰椎(L5)の横突起から骨盤の腸骨へ向かって走行する靱帯です。
特にL5との連結は強固で、腰椎と骨盤をつなぐ重要な役割を担っています。
解剖学的には、
- 上方線維束
- 下方線維束
に分けられ、それぞれ線維の走行や機能が異なります。
腸腰靱帯は筋肉のように身体を動かす組織ではありません。
むしろ過剰な動きを抑え、腰椎と骨盤の安定性を保つ役割を持っています。

腸腰靱帯の役割
腰椎と骨盤を連結する
私たちは立つ、歩く、座る、寝返りを打つなど、日常生活のあらゆる場面で腰椎と骨盤を動かしています。
腸腰靱帯はこの二つを連結し、必要以上の動きを抑える働きをしています。
ロープで建物を支えるように、腰椎と骨盤を支える「安定化組織」の一つと考えるとイメージしやすいかもしれません。
腰仙部(L5-S1)の安定性を保つ
腰椎の中でもL5-S1は非常に大きな負荷がかかる場所です。
Aiharaらの研究では、腸腰靱帯を切離するとL5-S1の回旋運動が増加することが報告されています。
つまり腸腰靱帯は、腰が過剰に捻じれることを防ぎ、腰仙部の安定性を保つ役割を担っていると考えられています。
仙腸関節の安定性にも関与する
近年では、腸腰靱帯が仙腸関節の安定性にも関与することが報告されています。
仙腸関節はわずかしか動かない関節ですが、そのわずかな安定性が歩行や立位姿勢に大きく影響します。
Pool-Goudzwaardらの研究では、腸腰靱帯が仙腸関節の安定化機構の一部であることが示されています。
腸腰靱帯と腰痛の関係
現在の研究では、
「腸腰靱帯が腰痛の原因である」
と断定できるほどのエビデンスはありません。
しかし、
- 慢性的な腰痛
- 腸骨稜周囲の痛み
- お尻の上あたりの痛み
- 仙腸関節障害に似た症状
との関連が報告されています。
実際に、仙腸関節障害と考えられていた症例の中に、腸腰靱帯への局所麻酔によって症状が軽減した症例も報告されています。
そのため腸腰靱帯は、腰痛の発生に関与する可能性のある組織の一つとして考えられています。

なぜ腰痛は原因を特定するのが難しいのか
腰痛は一つの組織だけで起こるとは限りません。
筋肉、関節、椎間板、神経、筋膜、靱帯など複数の組織が関与していることも少なくありません。
そのため、
「どこが痛いか」
だけでなく、
「なぜそこに負担が集中しているのか」
を考えることが大切です。
腰痛が長引いている場合、その背景には姿勢や身体の使い方、関節の動き方など様々な要因が関係していることがあります。
当サロンで大切にしていること
腰痛の原因は人それぞれ異なります。
そのため当サロンでは、痛みのある場所だけではなく、
- 姿勢
- 動作
- 関節の動き
- 身体全体のつながり
を含めて評価することを大切にしています。
身体には本来、効率よく動くための仕組みがあります。
その仕組みを活かせる状態を目指しながら、日常生活や趣味を快適に続けられる身体のケアをサポートしています。
▶︎仙腸関節障害についてはこちらの記事で解説しています。
【参考文献】
Aihara T, Takahashi K, Ogasawara A, Itadera E, Ono Y, Moriya H.
Biomechanical functions of the iliolumbar ligament in L5 spondylolysis.
Journal of Orthopaedic Science. 2000.Pool-Goudzwaard AL, Vleeming A, Stoeckart R, Snijders CJ, Mens JMA.
Insufficiency of the iliolumbar ligament: a cause of sacroiliac joint instability.
Clinical Biomechanics. 2003.Luk KDK, Ho HC, Leong JCY.
The iliolumbar ligament. A study of its anatomy, development and clinical significance.
Journal of Bone and Joint Surgery. 1986.

