膝の痛みはどこから出るのか? 軟骨だけではない、膝蓋下脂肪体・滑膜・関節包の役割

こんにちは!
UNITYボディコンディショニングの山崎です!
名古屋市東区芳野・森下駅近くで、
不調や痛みの改善を目指した
ボディコンディショニングサロンを運営しています。
はじめに
膝が痛くて病院を受診すると、
「軟骨がすり減っていますね」
と言われることがあります。
そのため、
「膝の痛み=軟骨が原因」
と思われる方も少なくありません。
しかし実際には、膝の痛みを考えるうえで軟骨だけを見ていては不十分です。
今回は、膝関節の中で実際に痛みに関わることが多い
- 膝蓋下脂肪体
- 滑膜
- 関節包
について解説していきます。
軟骨がすり減ると痛いは本当?
まず知っておきたいことがあります。
それは、
関節軟骨には神経が存在しない
ということです。
軟骨は関節の表面を覆い、衝撃を吸収したり滑らかな動きを作る重要な組織です。
しかし、軟骨そのものが痛みを感じることはできません。
もちろん軟骨が減ることで関節環境が変化し、結果として痛みにつながることはあります。
ですが、
「軟骨が減った=痛い」
という単純な話ではありません。
実際には、膝関節の周囲にあるさまざまな組織が痛みの発生に関与しています。

膝蓋下脂肪体とは?
膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)は、
膝のお皿(膝蓋骨)の下に存在する脂肪組織です。
あまり聞き慣れない組織ですが、膝関節の痛みを考えるうえで非常に重要です。
膝蓋下脂肪体には、
- 血管
- 神経
が豊富に存在しています。
そのため、
- 炎症
- 圧迫
- 繰り返しのストレス
によって痛みを生じやすい特徴があります。
特に変形性膝関節症では、
関節内の炎症や腫脹の影響を受けて膝蓋下脂肪体が刺激されることがあります。
患者さんによっては、
「膝のお皿の下がズキズキする」
「立ち上がる時に前側が痛い」
と表現されることもあります。

滑膜とは?
滑膜は関節の内側を覆う薄い膜です。
主な役割は、
関節液を作ること
です。
関節液は、
- 関節の潤滑
- 栄養供給
- 衝撃吸収
に関わっています。
しかし滑膜に炎症が起きると、
滑膜炎
↓
関節液の増加
↓
腫脹
↓
痛み
という流れが生じます。
変形性膝関節症の研究でも、
滑膜炎と疼痛の関連が報告されています。
レントゲンでは大きな変形がなくても、
滑膜の炎症によって痛みが強くなることがあります。
関節包とは?
関節包は膝関節全体を包み込んでいる袋状の組織です。
関節の安定性を保ちながら、
関節がスムーズに動くための役割を担っています。
しかし、
- ケガ
- 炎症
- 長期間の不動
などによって関節包が硬くなることがあります。
すると、
- 膝が伸びない
- 膝が曲がらない
- 動かした時に痛い
という状態につながります。
関節包は膝関節の可動域制限や疼痛に大きく関与する組織として重要視されています。
半月板も痛みに関係するの?
半月板は、
大腿骨と脛骨の間にあるクッションのような組織です。
近年では、
MRIで半月板損傷が見つかっても症状がない人が少なくないことが分かっています。
そのため、
半月板が傷んでいる
↓
必ず痛い
ではありません。
大切なのは、
半月板だけを見るのではなく、
- 滑膜
- 膝蓋下脂肪体
- 関節包
- 軟骨下骨
などを含めて考えることです。
膝の痛みは一つの組織だけでは説明できない
膝関節は非常に複雑な構造をしています。
そのため、
「どこが悪いのか」
ではなく、
「どの組織に負担が集中しているのか」
という視点が大切です。
実際の臨床でも、
同じ変形性膝関節症と診断されていても、
- 滑膜炎が主体の方
- 脂肪体の刺激が強い方
- 関節包の硬さが主体の方
など状態はさまざまです。

当サロンで大切にしていること
膝の痛みを評価する際、
私はレントゲンの結果だけで判断するのではなく、
- どの動きで痛いのか
- どの組織に負担がかかっているのか
- 股関節や足関節に問題はないか
まで含めて確認しています。
膝の痛みにはさまざまな要因が関わっています。
だからこそ、
「軟骨が減っているから仕方ない」
と考えるのではなく、
今の身体の状態を丁寧に評価することが大切だと考えています。
【参考文献】
・山田英司『変形性膝関節症の保存療法』
・橋本貴幸『改訂版 膝関節拘縮の評価と運動療法』
・OARSI Guidelines for the Non-Surgical Management of Knee Osteoarthritis
・Hoffa’s Fat Pad Impingement Syndrome: Review Article

