スネの張りがなかなか取れない理由|前脛骨筋と姿勢・呼吸の関係

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UNITYボディコンディショニングの山崎です!

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不調や痛みの改善を目指した
ボディコンディショニングサロンを運営しています。

目次

はじめに

「歩くとスネが張る」

「ふくらはぎは柔らかいのにスネだけ疲れる」

「ストレッチをしてもすぐ元に戻ってしまう」

そんな経験はありませんか?

スネの前側にある前脛骨筋は、一般的には足首を持ち上げる筋肉として知られています。しかし近年の研究では、前脛骨筋は単なる足首の筋肉ではなく、姿勢やバランス、呼吸、さらにはストレス反応にも関わる重要な筋肉であることがわかってきました。

今回は前脛骨筋の役割を通して、身体全体のつながりについて解説します。

前脛骨筋とは?

前脛骨筋は脛骨の外側から始まり、足の内側へ停止する筋肉です。

主な働きは、

  • 足首を持ち上げる(背屈)
  • 足部を内側へ誘導する(内反)
  • 歩行中につま先が床に引っかからないようにする

ことです。

歩行中に前脛骨筋が正常に働かなくなると、

  • フットスラップ
  • 下垂足
  • つまずき

などが起こりやすくなります。

しかし、前脛骨筋の役割はそれだけではありません。

前脛骨筋は「動き出す前」に活動している

私たちは歩き始める前や立ち上がる前に、無意識のうちに重心を移動させています。

Crennaらの研究では、歩行開始前に前脛骨筋が先行して活動することが示されています。

これは

予測的姿勢調節(Anticipatory Postural Adjustment:APA)

と呼ばれる現象です。

身体は動作が始まる前から、

「これから動く」

という情報を脳が受け取り、転倒しないように事前準備を行っています。

その準備役の一つが前脛骨筋です。

つまり前脛骨筋は、

「足首を動かす筋肉」

ではなく、

「身体を動かす準備をする筋肉」

とも言えるのです。

呼吸をすると前脛骨筋も働いている

呼吸によって胸郭や腹部が動くと、身体の重心はわずかに前後へ移動します。

私たちは普段意識していませんが、身体はこの重心変化に対して絶えずバランスを調整しています。

Kuznetsovらは、呼吸によって生じる重心変化に対し、前脛骨筋を含む下肢筋群が活動量を変化させることを報告しています。

つまり前脛骨筋は、

  • 歩行
  • 姿勢保持
  • 呼吸

という異なる機能を結びつける重要な筋肉でもあります。

浅い呼吸や胸だけで行う呼吸が続くと、姿勢制御に余計な負担がかかり、結果としてスネ周囲の緊張につながる可能性があります。

股関節がうまく働かないとスネが張ることがある

人の身体は、

  • 足関節
  • 股関節
  • 体幹

が協調して姿勢を保っています。

しかし股関節周囲の筋肉が疲労したり、十分に機能しなくなるとどうなるでしょうか。

Gafnerらは、股関節外転筋が疲労すると、身体が足関節戦略へ依存しやすくなることを報告しています。

足関節戦略とは、足首周囲の筋肉を使ってバランスを保とうとする方法です。

その結果、

  • 前脛骨筋
  • 長趾伸筋
  • 腓骨筋群

などが過剰に働くようになります。

つまり、

スネが張る原因はスネにないことがある

ということです。

実際に、

  • 長時間のデスクワーク
  • お尻の筋肉が使いにくい
  • 股関節が硬い
  • 片脚立ちが不安定

という方では、前脛骨筋に負担が集中しているケースをよくみかけます。

スネだけの問題ではない?前脛骨筋と全身のつながり

前脛骨筋が張っているからといって、必ずしも原因がスネだけにあるとは限りません。

前脛骨筋は、足首を動かすだけでなく、姿勢やバランスを保つためにも働いています。

特に、

  • 呼吸による重心の変化
  • 股関節周囲筋の機能低下
  • 歩行時の姿勢制御
  • ストレスや不安による筋緊張

などが関係すると、前脛骨筋に負担が集中しやすくなります。

つまり、スネの張りは単なる筋肉疲労ではなく、身体全体のバランスが崩れているサインかもしれません。

ストレッチやマッサージで一時的に楽になってもすぐ戻ってしまう場合は、スネだけでなく、呼吸・股関節・姿勢・歩き方まで含めて確認することが大切です。

ストレスや不安も筋緊張に影響する

身体は心理的ストレスにも反応します。

高所に立った時や不安を感じた時、人は無意識に身体を固めて安定性を高めようとします。

Wissmannらは、姿勢脅威下において筋活動が増加し、身体を固める戦略が生じることを報告しています。

この現象は

スティフニング戦略

と呼ばれています。

身体が不安定だと感じると、

  • 前脛骨筋
  • 下腿三頭筋

などが同時収縮し、身体の揺れを抑えようとします。

そのため、

  • ストレスが多い
  • 緊張しやすい
  • 常に力が入っている

という方では、スネの張りや疲労感が強くなる可能性があります。

スネの張りは身体からのサインかもしれません

前脛骨筋は、

  • 歩行
  • 呼吸
  • 姿勢制御
  • バランス調整
  • ストレス反応

など、多くの役割を担っています。

そのため、

「スネが張る」

という症状は単なる筋疲労ではなく、

身体全体のバランスが崩れているサインかもしれません。

ストレッチやマッサージだけで改善しない場合は、

  • 呼吸
  • 股関節
  • 姿勢
  • 動作パターン

まで含めて確認することが大切です。

当サロンで大切にしていること

前脛骨筋の張りや違和感がある場合、症状が出ている場所だけをみるのではなく、

  • 呼吸の状態
  • 股関節の動き
  • 立位姿勢
  • 歩行パターン
  • 身体全体の連動

を確認しながら身体を評価しています。

痛みや張りが出ている場所は結果であり、その背景には別の要因が隠れていることも少なくありません。

身体全体のつながりを大切にしながら、一人ひとりに合わせた身体のケアを目指しています。

【参考文献】

Crenna P, Frigo C. A motor programme for the initiation of forward-oriented movements in humans. J Physiol. 1991;437:635-653.

Kuznetsov NA, Riley MA. Effects of breathing on multijoint control of center of mass position during upright stance. J Mot Behav. 2012;44(4):241-253.

Gafner SC, Hoevel V, Punt IM, Schmid S, Armand S, Allet L. Hip-abductor fatigue influences sagittal plane ankle kinematics and shank muscle activity during a single-leg forward jump. J Electromyogr Kinesiol. 2018;43:75-81.

Wissmann AM, Hill MW, Muehlbauer T, Lambrich J. Arm movement strategies did not influence emotional state and static postural control during height-induced postural threat in children and young adults. Front Hum Neurosci. 2025;19:1635330.

Perry J, Burnfield JM. Gait Analysis: Normal and Pathological Function. 2nd ed. SLACK Incorporated; 2010.

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