Fryetteの法則とは?― 脊柱のCoupling Motionと機能障害を理解する ―

こんにちは!
UNITYボディコンディショニングの山崎です!
名古屋市東区芳野・森下駅近くで、
不調や痛みの改善を目指した
ボディコンディショニングサロンを運営しています。
はじめに
脊柱の評価や治療を行う中で、「回旋」と「側屈」の関係をどのように理解するかは非常に重要です。
特にオステオパシーや徒手療法の分野では、Fryette(フライエット)の法則は脊柱運動学を理解するうえで重要な概念として扱われています。
脊柱は単独運動ではなく、複数方向の運動が連動して起こります。
この連動運動を理解することで、
・なぜその方向へ動くのか
・なぜ代償が起こるのか
・なぜ特定部位へ負荷が集中するのか
を、より立体的に考えられるようになります。
今回は、Fryetteの法則とCoupling Motionについて、機能解剖学的な視点から整理してみたいと思います!
Fryetteの法則とは?
脊柱では、
・側屈だけ
・回旋だけ
という純粋運動はほとんど起こりません。
実際には、
「側屈すると回旋も起こる」
という連動運動(Coupling Motion)が起こります。
Fryetteの法則は、この脊柱の連動運動を説明する考え方です。

第1法則(Type I)
古典的なFryetteの第1法則では、
「ニュートラル位では、側屈と回旋は反対方向に起こる」
とされています。
例えば、
・右側屈すると
・左回旋が起こる
という関係です。
このType I dysfunctionは、
・複数椎体
・長いカーブ
・慢性的代償
として現れることが多く、特に胸椎で観察されることがあります。
また、局所というよりも“全体パターン”として現れることが特徴です。
ただし実際の胸椎運動は、
・姿勢
・荷重
・肋骨
・屈曲伸展位
などの影響を受けるため、必ずしも一定ではありません。

なぜ反対方向へ回旋するのか?
ニュートラル位では、facet関節は比較的自由度が高い状態です。
そのため側屈時に、脊柱全体はバランスを保つように反対方向へ回旋しながら運動すると考えられています。
これは単なる「骨の動き」ではなく、
・椎間関節
・椎間板
・靭帯
・胸郭
・軟部組織張力
など、全体の構造的バランスの中で起きている運動として説明されています。

第2法則(Type II)
第2法則では、
「屈曲または伸展位では、側屈と回旋は同方向に起こる」
とされています。
例えば、
・右回旋すると
・右側屈する
という関係です。
Type II dysfunctionは、
・単椎間
・局所的
・急性発症
として現れることが多く、facet lock様の症状としてみられることがあります。

屈曲Typeと伸展Type
Type II dysfunctionでは、
・FRS(Flexed Rotated Sidebent)
・ERS(Extended Rotated Sidebent)
という分類も重要になります。
FRSでは屈曲位で、
ERSでは伸展位で、
機能障害や左右差が強調されやすくなります。
つまり、
「どの姿勢で左右差が強くなるか」
を評価することが重要になります。


臨床での見分け方
実際の臨床では、
・どの動きで左右差が強くなるか
・どの姿勢で症状が増強するか
を評価していきます。
屈曲で左右差が強くなる場合はFRS pattern、
伸展で左右差が強くなる場合はERS patternとして考えることがあります。
また、
・局所的なのか
・複数椎体なのか
という視点も重要になります。

Type IとType IIの違い
Type Iは、
・複数椎体
・慢性的代償
・反対方向回旋
が特徴です。
一方、Type IIは、
・単椎間
・局所的
・同方向回旋
が特徴とされています。
ただし実際の臨床では、完全に分類できないケースも少なくありません。
そのため、
「脊柱を立体的に理解するための指標」
として考えることが重要だと思います。
facet関節の向きとCoupling Motion
頚椎・胸椎・腰椎では、facet関節の向きが異なります。
そのため、
・どの方向へ動きやすいか
・どの運動が制限されやすいか
も変化します。
一般的には、
頚椎では回旋や側屈、
胸椎では回旋、
腰椎では屈曲・伸展
が比較的起こりやすいとされています。
ただし実際のCoupling Motionは、
・姿勢
・荷重
・椎間板
・靭帯
・筋活動
・個体差
など、多くの影響を受けます。
そのため、Fryetteの法則は「絶対法則」というより、
「脊柱運動を理解するための指標」
として考えることが重要なのかもしれません。
まとめ
Fryetteの法則を理解することで、
・脊柱がなぜその方向へ動くのか
・なぜ代償が起こるのか
・なぜ局所へ負荷が集中するのか
を、より立体的に考えられるようになります。
特に臨床では、
「Type IかType IIか」
だけではなく、
「なぜ身体がそのパターンを必要としているのか」
を考えることが重要なのかもしれません。

当サロンで大切にしていること
当サロンでは、単に「痛い場所」だけをみるのではなく、
・なぜそこへ負荷が集中しているのか
・なぜその代償が起きているのか
という“身体全体のつながり”を大切にしています。
脊柱の動きひとつをみても、実際には複数の関節や組織が連動しながら働いています。
そのため局所だけではなく、身体全体のバランスや機能をみながら施術を行うことを大切にしています。
【参考書籍】
・Jeffrey Maitland
『脊椎マニピュレーション ― 機能障害に対する軟部組織からのアプローチ』

